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女の子がそう言って三蔵一行に頭をさげると、涼鈴が女の子に話しかける。
「ねぇ、さっき“お姉さまの木”って言ったでしょ。あれってどういう事なの?」
「この木は、あちしの一番上のお姉さま桔花公主(きっかこうしゅ)の木なんでありまする。みなさまにもご覧になっていただきまする」
女の子はそう言うと桜の木にむかい、何やら不思議な言葉を発する。
「おん、ま、に、はつ、に……うん!!」
すると桜の木から一人の女性が姿を現した。
「ひゃあああ!木から女の人が生えてきたで!」
八戒は腰を抜かす。
「この人……間違いない!私の夢の中に出てきた人だわ!」
三蔵は姿を現した女性の顔を見て叫んだ。
「お姉さまは、この桜花原を守る桜の精霊の長でありまする。しかし、十六年前にこの木に雷が落ちまして、その時から眠り続けてるです。あちしは困って困って困って困ってじたばたしてるです。どうにかなるならどうにかしたいです……どうにかなるですか?」
女の子がそう言うと、三蔵一行は考え込む。
「どうにか……と言ってもな。ま、なんとかして起こすしかないだろうよ」
悟浄が眉間にしわをよせながら言う。
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