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三蔵一行は桜の木の根元で目を閉じると、深い眠りについた。
しばらくすると、みんなは夢の中で目を覚ます。
「す、すごい!ほんとに夢の世界にきちゃったわ!」
三蔵は夢の世界を見回しながら驚く。
「いやぁ、まさか俺もこんなにすんなりと事が運ぶたぁ思ってなかったぜ」
三蔵の隣で悟空がそう言いながら大笑いする。
「それにしても……不気味な場所だね」
涼鈴がそう言うとみんなはうなずく。
地面は赤く、周りにある岩山は黒々とし、空は紫色に染まっている。
三蔵一行がそんな景色を見ていると、どこからか声が聞こえてきた。
「ほう……杖の持ち主がのこのこ現れるとはな……」
声の聞こえたほうをみると黒い岩山の上に一人の薄気味悪い男が立っている。
「なんだ、てめぇは!」
悟空は如意棒を構え、男を睨みつける。
「我が名はマハラカ。夢に漂い、夢を操る者」
「……じゃあ、この悪趣味な世界もあんたが作ったっていうの?」
涼鈴がそう言うと、マハラカは首を横にふる。
「諸君たちのような下品なやからに、わが高尚な趣味は理解できんよ」
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