《十章》花の精霊『桔花公主』

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「どうだ!当ててやったぜ!」 悟空がそう言うと、マハラカは頬から流れ落ちる血を手で拭きとる。 「……今日は諸君たちの健闘に免じて、これ以上の戦いはやめにしておこう。次に会うときまでに、腕をみがいておくことだな」 マハラカはそう言うと、不気味な笑みを浮かべて姿を消してしまった。 そして三蔵は急いで桔花公主のそばに駆け寄った。 「大丈夫ですか?」 三蔵が桔花公主の体を起こしながら声をかける。 「は、はい」 桔花公主が返事をしたとき、三蔵の持っている錫杖がふるえはじめた。 「あっ、また……錫杖がふるえてるわ」 「しかし……どうみても神将がいるようには思えねぇけどなぁ」 悟空がそう言いながら辺りをみまわす。 「私の……体の……中に……」 桔花公主がそう言うと三蔵一行は驚く。 「なんやて!?」 「きゃっ!な、なんなの!?」 涼鈴は桔花公主を見て悲鳴をあげる。 桔花公主の体が光っていたからだ。 しばらくすると、その光は桔花公主の体から放れ、一人の男に姿を変えた。 「ずいぶんと長い間、あんたには迷惑をかけたようだ……悪かったな」
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