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「どうだ!当ててやったぜ!」
悟空がそう言うと、マハラカは頬から流れ落ちる血を手で拭きとる。
「……今日は諸君たちの健闘に免じて、これ以上の戦いはやめにしておこう。次に会うときまでに、腕をみがいておくことだな」
マハラカはそう言うと、不気味な笑みを浮かべて姿を消してしまった。
そして三蔵は急いで桔花公主のそばに駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
三蔵が桔花公主の体を起こしながら声をかける。
「は、はい」
桔花公主が返事をしたとき、三蔵の持っている錫杖がふるえはじめた。
「あっ、また……錫杖がふるえてるわ」
「しかし……どうみても神将がいるようには思えねぇけどなぁ」
悟空がそう言いながら辺りをみまわす。
「私の……体の……中に……」
桔花公主がそう言うと三蔵一行は驚く。
「なんやて!?」
「きゃっ!な、なんなの!?」
涼鈴は桔花公主を見て悲鳴をあげる。
桔花公主の体が光っていたからだ。
しばらくすると、その光は桔花公主の体から放れ、一人の男に姿を変えた。
「ずいぶんと長い間、あんたには迷惑をかけたようだ……悪かったな」
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