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一方その頃、パトリシアはちかりの家の玄関の前で、待ち惚けていた。
「…ちかりにしては、珍しく準備が遅いな…。」
痺れを切らしたパトリシアが、チャイムを鳴らすと、バタバタと足音がして、ちかりが玄関から顔だけを出した。
「あ、パトリシア。あの…もう少し待ってくれる?」
少し慌てたように、ちかりが言うと、パトリシアが眉間に皺を寄せた。
「…なんかあったのか?」
「ううん。何でもないの。…その…。」
ちかりの様子がおかしいことに首を傾げながら、パトリシアは玄関に手を掛けた。
「ダメ!!開けちゃダメ!!!!」
そう言って、慌てたちかりが奥に引っ込もうとした。
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