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ウサギのぬいぐるみになった俺…
俺は鏡の前で硬直していた
『なんで…』
俺はとりあえず落ち着き自分の体を見る
『…羽?』
何故かウサギなのに羽が生えていた
体を動かしてみると人の時と変わらない感じだ
ただ目線が低いのが気になるが…
ガチャ
『(ヤバッ…)』
とっさに俺はぬいぐるみのふりをした
「あ、うさちゃんここにいたの~」
俺を抱き上げる桜に似たガキ
確か…花だったけな
「パパ達の所に行きましょうね~」
花は俺を連れて部屋を出た
『(うわ…廊下広……この嬢ちゃんやっぱし金持ちの娘か)』
俺はあまり金持ちは好きじゃない
俺が知ってる金持ちは俺を見下して嘲笑う嫌なやつ
そして、そいつの周りもそんなやつが多かった
要するに俺は金持ちに嫌な印象を抱いているって訳だ
「花様、ウサギは置いていかれたほうが…」
「いいの!うさちゃんと一緒なの!」
『(どんだけウサギ好きなんだよこのガキは…)』
ガチャ
「パパ~!」
「花~!おいで~!」
父親だな、デレデレな顔を花に向けてるし…
「…花、パパはウサギちゃんを置いてほしいなぁ…」
「じゃ、だっこしない!ママ~だっこ~!」
「は~い、うさちゃんと一緒に、ギュ~」
「わぁい!」
「花ー…(がっくりとうなだれる)」
…なんだこの家族
いや、今はそれよりも…
『(く、苦しい…!)』
母親と花に抱きしめられているためすげぇ苦しい…
俺は顔を歪めた
「あ…?」
『!』
父親と目が合った
俺はすぐに顔を元に戻す
「…今……?(目を擦る)」
「?、どうしたの四郎さん」
「いや、なんでもない(気のせいか)」
危ねぇ…
ぬいぐるみが動くわけにはいかねぇし…
「花ちゃん、ママ達これから一緒に出かけるけど、ご用意できてる?」
「できてる!うさちゃんもできたよ!」
「え…うさちゃんも連れてくの?」
「うん!」
「……………」
「四郎さんいいじゃないですか、お買い物ですし」
「まぁ、そうだけど…」
父親は俺を見ている
怪しまれてる…のか?
「まぁ…いいか」
父親はそう言うとそばにいた使用人(格好が使用人っぽいから多分合ってるだろ)に車の手配をさせてた
「うさちゃん、これからお洋服を買いにいくのよ」
『(…本当にこのウサギが好きなんだな)』
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