エンキョリ

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良く晴れた昼下がり 僕らの日課は家の近くの草原にただ二人で寝ころがって、二人の時間を大切にすること。そう…今だって 「千鶴…大好きだよ」 僕は毎日毎日彼女に気持ちを伝えている 「っ////」 いつになっても慣れない君…隣で寝ながら赤くなる君が愛しくて堪らない自分がいる 「あはっ僕は今思っている事を言っただけなんだけど…顔…赤いよ?」 君のことは全部分かってるけどいじめたくなる 「…総司さん、意地悪です…」 真っ赤にしながら睨む君には何の説得力も持たない これも毎日の日課 でも今日はちょっと違った あっと何かを思い出したのか千鶴の顔が陰る 僕はその一瞬を見逃さなかった 「…何、どうしたの?」 僕が問うと躊躇いながらも話し出す君 「…お隣さんの奥さんから今朝聞いたんです」 「何を?」 千鶴が真剣に話そうとしている時は流石の僕でもちゃかしたりしない。 「お隣さんの旦那さんは出稼ぎのために遠くへ一人行ってしまうそうです…」 うん、と相づちだけを打つ 「しかも長い間帰って来れないようで…お話しした時、とても寂しそうに笑っていました…」 なんとなく…分かった 「離れてしまうのは…すごく寂しいことです…」 そう一言言って泣き出してしまった千鶴は…自分達に重ねたんだと…思う ――羅刹になっても労咳は治らなかった。そのうえ羅刹となった事から身体には大きな負担がかかり、いつ死が訪れるか分からない…そんな状況だからこそ千鶴は重ねたんだ 僕は本気でこの子…千鶴が愛しい。僕のために泣いてくれる千鶴が誰よりも愛してる こんなに優しい子だもん 新選組のとき、土方さんやら一くんやら左之さん…てか幹部全員が千鶴に甘かった だから千鶴が僕の大切な人になったとき…本当に嬉しかった 「…僕はずっと君といるよ。僕の時間を全部あげる」 「…はい」 そっと千鶴を抱き寄せる すると胸に顔を埋めてきた 「だから君の心を全部僕にちょうだい?」 ちゅっと音を立てて額にキスを落とす 「…今までも、これからもずっと総司さんのものですよ。今だって総司さんで満たされてるんです」 ふわりと笑った彼女は僕の頬に少し掠める程度のキスをした いつもはそんな事をしない彼女だから僕は目を丸くした。そんな僕の顔を見て嬉しそうな君の表情。 「…今日は君、積極的だね」 「こんな日もあるんです」 そう言って勝ち誇った君
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