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「愛、どうなってんの?」
あたしは昼休み愛を屋上に呼び出した。
愛はポカーンとしてる。
あんたね…
「どうなってるって?」
「だから~…遥と進展してないじゃん」
あたしがそう言うと愛はあからさまに顔を下に向ける。
「だって…」
なに?
どうなってんのよ、愛の心の中は。
「なんかさ、アピールとかしたら?もしくは告白とか」
「そ、そんなの無理だよ。私、今の状態を崩したくない」
愛はそっと顔を上げて言った。
「なんでそんな事言うのよ」
「私怖いの。告白して今みたいに話せなくなったらって。だったらこのまま仲良く話してた方がいい」
まあ分からなくも無いけど…
「でもさ、愛が行動起こさないって事は、ずっとこのままって事なんだよ?ずっと進展ないままって事なんだよ?もしかしたら遥に彼女出来るかもしれないのに」
「……………」
「愛、言ったじゃん。遥と付き合いたいって。そのためには行動起こさないといけないんだよ。自分から話したいのって言ったあの時の愛はかっこ良かったけど…」
「……………」
「今の愛は口では付き合いたいって言って自分から動こうとしないただのヘタレ、だね」
呆れた。
あたしがこんなに言っても何も反論しようとしない愛にも。
1ヶ月前、愛は確かに言った。
『遥くんと付き合いたい』って。
あれは、嘘?
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