第9話

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「嘘じゃないって言ったら?」 「は?」 「俺は出会う前から美香が好きだったけど」 「……嘘つかないでよ」 「嘘じゃないって」 「嘘だー…」 「はい、泣いて。………ってもう泣いてるか」 ばか陸。 ずるいって。 真顔でそんなこと言って。 この顔は嘘ついてないもん。 分かるから。 もう、彼女泣かせるとか最低。 「はいはい、泣くな」 陸はギュッとあたしを抱き締めて言った。 泣いてる彼女を抱き締めるのも彼氏としての役目か。 ふっ。 本当にムカつく。 「あたしの彼氏になってみる?」 あたしは陸から体を離して言う。 「ふっ、しょーがねーな。なってやるよ」 本当に俺様で腹立つけど。 好きになった。 だから責任とってよ。 あたしを離さないでね。 「俺、ペットと別れるの嫌なんだよね。だから俺から離れんなよ」 ほら、また彼女泣かした。 陸はまたふっと笑う 言われなくても離さないから。 あたしは泣きすぎてぐちゃぐな顔でうん、と頷いた。 そして自然に。 自然に優しいキスをした。
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