105人が本棚に入れています
本棚に追加
「嘘じゃないって言ったら?」
「は?」
「俺は出会う前から美香が好きだったけど」
「……嘘つかないでよ」
「嘘じゃないって」
「嘘だー…」
「はい、泣いて。………ってもう泣いてるか」
ばか陸。
ずるいって。
真顔でそんなこと言って。
この顔は嘘ついてないもん。
分かるから。
もう、彼女泣かせるとか最低。
「はいはい、泣くな」
陸はギュッとあたしを抱き締めて言った。
泣いてる彼女を抱き締めるのも彼氏としての役目か。
ふっ。
本当にムカつく。
「あたしの彼氏になってみる?」
あたしは陸から体を離して言う。
「ふっ、しょーがねーな。なってやるよ」
本当に俺様で腹立つけど。
好きになった。
だから責任とってよ。
あたしを離さないでね。
「俺、ペットと別れるの嫌なんだよね。だから俺から離れんなよ」
ほら、また彼女泣かした。
陸はまたふっと笑う
言われなくても離さないから。
あたしは泣きすぎてぐちゃぐな顔でうん、と頷いた。
そして自然に。
自然に優しいキスをした。
最初のコメントを投稿しよう!