第二夜 ー出現ー

3/16
前へ
/22ページ
次へ
「おい、そこのあんた。」 貴族の男は、立ち止まる。 「そこのあんただよ。何、俺の同志を殺してんだよ。」 貴族の男が振り向くと、長めのスーツ姿で黒ずくめの男がたっていた。 「はっ…あれは、お前の同志だったか。スマンスマン、ゴミと間違えて撃ってしまったよ。」 黒ずくめの男の姿がない。 すると、いきなり目の前に現れた。 「あんたさ、友達いないだろ。」 そう言うと、黒ずくめの男は口に銃口をあてる。 貴族の男は、驚いて思わず尻餅をついた。 が、黒ずくめの男はすぐ銃口を向けなおす。 そこに、側近が刃物で切りかかろうとする。 それに気づき、華麗によけ距離を開ける。 「すまない、助かった。」 「いえ、ご主人さ…」 ドンッ… 側近は言葉の途中で倒れた。 「おい…」 貴族は、ブワッと汗がでて体がふるえる。 黒ずくめが、近づくが貴族は震えて動くことができない。 そして、心なしに銃口を向け撃つ。 貴族の頭を撃ち抜くと力が抜けるように倒れる。 … 「あんたの血の方が汚いな。」 襟を掴み、ゴミ捨て場に投げ捨てる。 「すまない、助けてやれなくて…もう少し早ければ…」 悔いながら、黒ずくめは言う。 亡くなった男を丁寧に抱き上げると近くに穴を掘り埋めた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加