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「あ、分かった!どおりで」
彼女は、目を大きく開いて何かに気付いたようだ。
「君、新入生でしょ?」
僕を見つめる目を輝かせる。
「ねぇ、そうなんでしょ?」」
「あ、はい…」
ようやく、言葉を発する事が出来た。
「あ、やっぱり!ふふん、制服が新しいから新入生って推理したのよね。あとは、私が君を見かけなかったのがミソね」
彼女は、はにかみ自慢げに話す。
その姿、その表情を見て、またドキッとした。
こんな体験は初めてだ。
「君の名前は?」
「鈴木紀(すずき・おさむ)です」
「おさむ君?…じゃあ、私は皆と同じ呼び方は嫌だから、スサム君て呼ぶのはどうかしら?うん、決定ね!」
両手を抱えて、彼女は微笑みながら頷く。
「あ、あのう。あなたの名前は?」
胸の苦しみを堪え、必死に言葉を紡ぎ出した。
「…私?」
これが、彼女と僕の最初の出会いだった。
「比嘉夏目(ひが・なつめ)よ」
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