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そんなわけで、今日も大輝はよく行くパチンコ屋の一軒へと出向いてきたわけである。
出掛けに、昨日パチバケツに入れた3万円のうち1枚を取り出すと、両手に挟み願掛けをしてから財布に入れた。
この財布はパチンコ専用の財布で、普段の財布とは使い分けをしている。
パチバケツを買ったすぐ後に、自分にとっての吉日や吉方位、ラッキーカラー等をサイトで調べてからこの財布を買ってみた。
というのも、それまで大輝はそういうものには興味はなかったのだが、パチンコ遊びを引退した先輩達から影響を受けたのである。
パチンコの毎月の出費を考えると、たまに三千円の宝くじを買う方が楽しみがあっていいという先輩同士の会話が気になっていた。
先輩達は、縁起担ぎに大安に吉方位の宝くじ売場に買いに行くだの、ラッキーカラーの服を着て行くだのと盛り上がっていた。
ラッキー数字に関しては、その時間に家を出てその数字の入ったくじを買うのは勿論、その数字を下一桁にした歩数で出入り口のマットを踏む等その他諸々。
一応大輝もうなずいて見せたりしたが、自分からは話しには参加せず黙って給食を食べていた。
その時の大輝は、給食を食べながらも話しに夢中になる先輩達の会話がバカバカしく感じられた。
そんな努力をしたからといって、全員が当たるわけではなし。
ところが先輩達の議論によると、当たるのではなく当たる確率が上がるらしい。
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