序章 -物語開幕-

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そんな時だった。 城の入城門のところに、大勢の人々が居るのを見付けたのは。 気になって、私は立ち上がり窓に近づく。 綺麗に手入れされたガラス。 指紋がつかないように、枠を持って開ける。 ふわりと入ってきた爽やかで心地良い風が、優しく頬を撫でた。 それとは裏腹に、門はやけにうるさい。 複数の警備兵が次々と城の中から出て行く。 両手を広げ、声を張り上げ、武器を向け…どうにか制止してはいるようだ。 だがしかし、徐々に兵が内へと押されていくような気がして、しばらく見ていてみた。…それは気のせいでは無く、人々は兵ごと進んでいた。 “…警備兵達はもう少し訓練が必要ね…” とにかく、城内に入る前に止めなければ。そう思って、軽く佇まいを整えて部屋を出ようとした。 すると、私がドアノブに手をかけるより早くドアが開く。 ノックもせずに入ってきたのは、慌てた伝達兵だった。 王の間に入る前はノックをとあれほど言ったのにと、少し呆れた。 何となく用件を予想をしながらも何事かを聞くと、やはりというか、入城門で起こっている事を伝えに来たそうだ。 黒王様には伝えたのかを問うと、寝ていたらしく、起こしても聞いてくれないのだという。 やれやれと、兵と共に部屋を出る。 黒王様はもう良い、あと今後ノックを忘れずにと兵に言って、門へと向かった。 .
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