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去年の息子の担任、村岡にビールを注ぎながら、息子の圭の話しをしながら、かえでの様子をチラチラとうかがっていた。
何度目かの時に、かえでと目が合い、視線が絡み合った。
村岡との話しをそこそこに、かえでの前に座った。
「阿部先生、圭が世話になってます。迷惑かけていませんかね?」
少し驚いたように、
「あっ、福井君のお父さん、でしたね。この間は、失礼しました。」
「えぇ、俺も驚きましたよ。でも、圭の担任の先生が、こんなに美人で、しかも同じ団地だなんて、ビックリですよ。」
(まさか、なんでこの先生が俺を?違うよな、絶対ちがう。)
進二は余りあからまさまには人に言えない性癖があった。
その性癖のアンテナに、目の前の美人教師が引っ掛かりかけているのを、進二はいぶかしげに感じていた。
「そんな、もう、ホントにお上手ですね。本気にしちゃいますよ。」
かえでの頬にぽうっと赤みが指し、進二は思わず見とれていた。
(いけないわ。私、少しおかしい。この人を見てると、ドキドキしてくるのは、変かな?)
かえでは自分の気持ちが、信じられなかった。
それに、進二をここで見つけた時から目が放せなくなっていた。
「いえいえ、冗談やお世辞じゃないですよ。本当に綺麗ですよ。俺が独身ならほっとかないですよ。」
「ほっとかないですか?なにをしてくれるんでしょうね?」
(ばか、なにを面白がってんの!、、でも、面白い、かも、、。)
彼女の心の中で、半ば否定、半ば肯定が混ざり合いクロスした。
(やべっ、俺はなにを口説いてんだ。相手は旦那持ちだぞ!、、けど、なんか惹かれるな。)
「えっ、それは、なんでも阿部先生のお望みのことをね。」
(しまった!言い過ぎた。これじゃあ、露骨すぎだぁ。)
進二は、かえでを口説きはじめている自分を止められそうになかった。
「あらっ、嬉しい。なにをしてもらおうかしら?」
(いけないわよ!この人は生徒の親よ。でも、楽しい、、。)
かえでは面白そうに、進二の反応を見つめていた。
「あらら、先生、本気にしちゃいますよ。そういや、二次会はどうされます?」
(やべっ、俺、本気で誘っちゃってる。まずいかなぁ?)
声を落として、かえでに聞いていた。
「二次会ですか?迷ってるんですよねぇ、、。」
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