触れ合う心

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 運動会の打ち上げの飲み会が直ぐにお開きになり、二次会へと雪崩れ込むグループと三々五々帰るメンバーとに別れ、進二とかえでは離れないようにしながら、二次会の会場の近くのスナックへついていった。  目立たないように奥のボックス席に座り、ウィスキーの水割りを楽しみながら進二はかえでを口説き始めていた。  そして何故彼女がアンテナに引っ掛かったのか、はっきりさせようと思っていた。 「あの先生は大学では、何を専攻されてたんですか?ひょっとしてですけど、歴史ですか?違ってたらごめんなさいね。」  酔った勢いを利用した感じで彼女に聞くと、まんざらでもないように、 「えっ、良くわかりましたね。実はそうなです。うふふ。」 (どうしてわかったのかしら?でも女性教師なら、結構多いから。)  質問を軽く受け流したつもりでいたが、進二は爆弾を仕掛けるように罠を仕掛けていった。 「えっ、当たりですか!嬉しいなぁ、じゃあ歴史なら、東洋史、それも日本の日本史かな?当たってると嬉しいんだけど?」 (ふふふ、上手く仕掛けられたかな?)  進二の目が彼女の全てを見逃さないように、見つめていた。 「えぇ、良くわかりますね。日本史です。でも、卒論はちょっと変わってますから、無理でしょうねぇ。うふっ。」
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