触れ合う心

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 あえて無邪気そうにしながら、 (わかるかしら?私、期待してるの?だめよ、主人と子供がいるんだから、それに、卒論がわかっても、本当にしたかったのは別のだし、、。)  進二はやはりと納得したように、心の中でかえでが罠にかかりつつある手応えを感じていた。 「えっ、卒論ですか?そいつは、難しいかなあ?でも、変わったやつってなんだろう?うーん、普通は時代の風俗やら芸術かなぁ。けどそれじゃ変わってないし、ひょっとして刑法史かなぁ。たまにいるんですけど?」 (さあて引っ掛かるかな?クククッ。)  舌舐めずりをするように、進二はかえでの様子を伺っていた。 「えっ、すごーい、当たりです。初めてです。当てられたの!嬉しい。」 (どうして、わかったの?でも、卒論はその通りだから、でも、本当のことまでわ、、、。)  予想通りの答えに、進二は思わず心の中でほくそ笑んでいた。 「うわっ、嬉しい!まぐれでも当たると嬉しいですねぇ。良かったぁ。外れなくて良かったぁ。あっ、ちょっと大きな声出しすぎですね。ふふふ。」 (やっべえ、回りに丸聞こえだったな。ちょい注意やな。けど、刑法か、ホンマは刑罰か拷問かな?モウチョイ、突っ込むかな?)  進二の眉毛が少しむず痒くなり、彼の予感が間違っていないことを教えていた。
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