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かえでの斜め横に座っていたが、進二はかえでの横に移動し、何気ない風を装いながら彼女のビッタリ横に移動した。
「へえぇ、珍しいですねぇ。刑法史って言うと、刑罰史か拷問史の方が調べてると、意外に興味ぶかいですよ。特に、昔の浮世絵なんかにしているのは、綺麗ですよ。」
「えっ、浮世絵って、お持ちなんですか?良かったら、見せて、あっ、私、何を、ごめんなさい。」
かえでが慌てて言葉を飲み込んだが、進二にはそれで十分だった。
(思わず口が滑ったか、面白いな。つまり、拷問の方が詳しいんや。そのための卒論!クククッ。)
「あぁ、浮世絵ありますよ。座禅転がしとか、畚(もっこ)責め、石抱き、まだありますけどね。拷問系のが多いんですが。コピーや、再版の復刻版もありますがね。あっ、興味ないですよね。残酷だから。」
(引くやろかな?まあ、無理押ししたかな?どうかな?)
彼の思惑とは別の言葉が、かえでの唇からこぼれた。
「あの、それって、見られます?あっ、私、何を、ごめんなさい、何を、言ってるのか、、。」
かえでの肌を羞恥が赤く染め、同時に彼女の女の部分がキュウンと疼いた。
「えっ、あぁ、見えますよ。あなたさえ良ければですけどね。」
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