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かえでの夫が帰ってきたのは夜の八時を少し回っていた。
「お帰りなさい。お疲れ様でした。」
「ただいま、梢は?」
「お茶の間でお絵かきをしてるわ。お風呂にします?」
「うん、梢の顔を見たら、一風呂浴びるよ。」
かえでが口を開く前に、夫はお茶の間に入って行った。
(もう、私も相手をして欲しいのに!まあ、いいわね。後で、二人になったら、、。)
夫が風呂と食事をすませたのは、梢を寝かせた夜の十時過ぎだった。
茶の間に戻るとビールを飲みながら、
「日に焼けたね。運動会が近いからなぁ。うちも学園祭が近いから大変だよ。」
夫の愚痴とも、自慢とも思えるボヤキを聞きながら、かえでは自分だけがかまって欲しいわけではなかったんだと悟った。
同時に彼女も、
「へぇ、私の学校も小さい子が多いから、おとなしくさせるのが大変よ。」
「あはは、そらあそうだわ。俺もガキのころは、運動会、楽しくて楽しくてしょうがなかったもんなぁ。」
「うふふ、わたしも、、。」
たわいなく笑い、かえでは幸せを感じた。
二人が、夫婦の時間を過ごし眠りについたのは、十二時を少し回っていた。
夜中の三時過ぎ、かえでは、自分の声で目を覚ました。
(えっ!?今のは、夢?夢よね。)
周囲を見回し、夫の秀輔の様子を確かめた。
(眠ってる。良かったぁ。あんな声聞かれたら、とんでもないわ。恥ずかしい。)
顔を赤らめ、夢を思い出し、慌てて首を横にふった。
その夢は、かえでと見知らぬ男が抱き合い、夫の目の前でセックスをしている夢だった。
かえでが、もう少しでエクスタシーにっ、というところで、目が覚めたのだった。
かえでは、少し物足りない感覚のまま、そうっと立って忍び足でトイレに向かった。
(ふうーっ、今の夢、朝の、福井君のお父さんだった。まさか、違う、生理が近いからよ。でも、、)
かえでは、そうっと自分の花園の中心に軽く指を触れさせた。
(えっ、やだ、濡れてる。でも、気持ち良かったもの。やだ、なに考えてるの!明日も早いのよ、寝なきゃ。)
しかし、かえでの思いとは逆に指は暴走をはじめ、
(やっ、だめっ、、んぅ)
しばらくして、エクスタシーの後のけだるい表情で、かえでは寝室に戻った。
翌朝、何事もなかったかのように、かえでは朝の仕度をしていた。
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