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あれは確か夏の日の事でした。
全国各地で行われてる甲子園大会の予選。
俺は背番号「10」を付けて大会に望んだ。
投手戦とも行かずに試合の序盤から相手にペースを握られる。
1対9
エースは打たれ、先輩の名前がコールされる。何となくと言うより大分悔しかった。俺は信頼されて居ないのかともおもった。
先輩がフォアボールでノーアウト一二塁にランナーを出したところでようやく俺の名前がコールされた。
スタンドからはクラスメイトが「待ってました!!」とエールを送る。
俺は緊張と不安を抱いたままマウンドに立った。自慢のボールは簡単にバントされた。緊張してからかバント処理も失敗して、ピンチを広げた
―ノーアウト満塁―
今までに無い緊張と不安。
でも自信はあったいつも以上に伸びるストレート。だからキャッチーのサインに首を降った。
自信を持って投じた初球はキャッチーのミットに収まることなく後ろにそれた。
―パスボール―
それは俺の自信と希望そして夢を打ち砕く出来事だった。ランナーが2人生還し、コールドゲームが成立した。
その瞬間、俺はマウンドに崩れ落ちた。
大泣きした。沢山泣いた。そして夏が終わった。
先輩の夏を自分が壊した
そんな事を思うと野球部、そしてマウンドには居られなかった。
そんなこんなで俺は部活に行かなくなった。
気が付けば何より大切な仲間そして野球を俺は失った。
一人になって感じた失う怖さを。
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