失う怖さ

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その子は人の事を第1に考えて自分の事を後回しにして人の悩み事に親身になって聞いてくれた。 毎日の様に話していると、その子は野球部の監督に話をしてくれた。 どうしたら「俺」が野球部に戻れるかを 教師に頼んでも相手にされず、人を信じる心を失った俺にもう一度信じる事を思い出させてくれた。 そんなこんなでチャンスをもらった。 でもあまりにも過酷すぎた。 もともとプライドの高い俺には耐える事は出来ないような事ばかり。 そして俺は逃げた チャンスをつぶした また逃げた いつもは強がる自分の弱さを全て表にさらけ出す形になった でもその時から俺の世界は変わった 強がる事を辞めて昔の様に友達と話した 次第にクラスメイトとも普通に話すようになって野球をしてた頃よりクラスに友達が出来た。 気が付けば先輩は卒業して俺は三年生になった。 ――最後の夏―― 野球をしていれば「最後の夏」を向かえる事になる。 俺は心の奥深くに眠っていた野球への愛を思い出した。 「俺には野球しかない!!」 そんな気持ちが俺を奮い立たせた その日から何度も監督に頭を下げてお願いした。 1ヶ月くらい毎日頭を下げお願いした。 ようやく許可が降りたが野球部に戻る条件があった。 試合に出さない、来ない 後輩に何を言われても言い返さない事 球拾いしかさせない 絶望的だった こんな条件はただの雑用なら戻らずに近所のクラブチームに入った方がましだ と思った
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