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帰り道、いつものように沈んでいく太陽を見て
また今日が終わると感じる
なぜだか悲しくなって涙が出てきそうになる
ぽん、と後ろから肩を叩かれた
「家こっちなの?」
振り向くと彼が立っていた
「うん、佐倉くんも?」
初めて名前を呼んで違和感を感じた
「うん、一緒に帰ろ」
にこっと、引き締まった輪郭に無邪気な笑顔が過る
「う、うん」
何か話そうと思ったけど声が出ない
出したいけどそんな勇気がない
私達は無言のまま歩いた
自分の家に着いて彼を見る
「あ、」
っと言った時、彼とまた目が合った
澄んだ目が私を捕える
急に恥ずかしくなって思わず目を反らした
「じゃあ、また明日」
「うん、また明日。佐倉くん」
やっぱり違和感
苦しくなって家の中へ駆け込んだ
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