-日常-

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  「ほらほら海斗もいつまで寝てんの。部室閉めるから2人ともさっさと着替える!」 「「ほーい」」  明日絶対筋肉痛だろうなあ……まあ休みだしいいか。    ‡  ‡  ‡  帰り道。  そろそろ帰宅する人達で車通りが増えてくる時間帯。ちらほらとネオンに明かりが灯り始める街中を駅に向かって歩いていく。  既に日も傾き始めているというのに太陽は一向に休もうとはしない。太陽は馬鹿なのかもしれない。 「んで、何食べに行くつもりなんだ?」 「慶佑」 「まさかのキラーパス!? 海斗行くとこ決めてたんじゃないの?」 「無計画主義をナメないでほしい。ぶっちゃけ、財布にいくら入っているのかも分からない」 「相変わらず行き当たりばったりな……」  ホントに思いつきだったし。人生なるようになる、が俺のモットー。如何にめちゃくちゃしようと、大概のことはなんとかなるだろう、というのが持論だ。俺はそういうヤツである。   「んじゃあ、最近見つけたラーメン屋あるんだけど……行ってみるか?」  流石慶佑、無茶ぶりにもきっちり答えてくれる。ラーメンか。悪くないな。 「あっ、ソレって駅からちょっと離れたところにあるやつか?」  遥人が反応した。言われてみれば、そんな店があったようななかったような。記憶を探ってみるも、はっきりとしたイメージは沸かなかった。 「そうそうソレソレ。誰かがそこにあるって言ってたってクラスのヤツが言ってた」  聞いた話を聞いたってわけね。 「まあ行ってみようじゃん! 部活帰りにラーメンなんて来年なったら出来なくなるしな!」  遥人が嬉々として言う。俺達は今高校二年生。来年になったら勉強漬けか? 嫌だなぁ。 「夏休み……ッ! それも勉強に潰されるというのか……ッ!」  苦虫を噛み潰したような顔で悔やむ慶佑。確かに憂鬱ではある。そもそも志望校とか考えたことがなかった。まあ、なんとかなるだろう。 「そういや夏休みいつからだっけ?」 「来週の土日から。まあ水木金曜日は三者懇談で潰れるから、実質水曜日からだな。月曜と火曜でテスト返し」 「テスト……三者懇談!?」  慶佑の顔が絶望に染められる。何がお前をそうさせるんだろうか?
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