-日常-

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   いくらクーラーが効いてるとはいえ夏は夏。ラーメンによる体温上昇は汗をかくのに十分だった。コップを手に取り、火照った体にお冷やを流し込む。2杯飲んだところで少し落ち着き、ふと周りを見ると先程より人が増えていた。このおいしさ。やはり繁盛しているらしい。  食べるのに夢中で気づかなかったけど店にテレビがあることに気づいた。よくある、天井付近に取り付けてある板にちょこんと乗ったテレビだ。ニュース番組をやっているらしい。 『――で、娘の行方が分からないと通報があり、警察は家出と誘拐両方の線で捜査を進めています』 「最近こういうの増えてるよな」  遥人も見ていたようだ。 「確かに多いな。ここ二週間で3人くらいじゃないか?」  家出の増加だっけか。全く。世の中どうなってるんだか。家出が悪いと責める気はさらさらないが。 『次のニュースです。行方不明になっていた、進堂香純(しんどうかすみ)さん、17才が2ヶ月ぶりにようやく発見されました―――』 「それと同時に」 「見つかるケースも増えてる」  てか同い年かよ。 「世の中ってバランス取れるようにできてるんじゃないですかねぇ」  おぉ、おやっさん。一理あるかも。ってねーよ。あってたまるかそんな家出バランス。 「てかさ、この子かわいくね?」  慶佑が画面に出てる写真に食いついてた。俺もその写真を注視してみる。  ふむ。なるほど確かにかわいい。切れ長で大きな目をしていて、綺麗な顔をしている。どこか大人びたその容姿はかわいいというよりカッコいい……みたいな。うん。イッツクールビューティー。
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