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「ラーメンの話は東條が慶佑に言ったのか」
「あら御堂君。あなたたち3人ホントに仲いいわね~」
「「「腐れ縁だ」」」
ハモるのもどうかと思う。
「それを言うなら東條達も仲いいじゃないか。異常に。だから東西の――」
フォン、と風切り音。
風切り音んんんん?!
「御堂君……?」
「何でしょうかお嬢さん?」
目の前数センチに西條の握り拳が。そして俺の後ろには崖(プラットフォーム)が。遥人が俺を助けようとする慶佑を止めている。なんか遥人が『今は死ぬ! 巻き添え食らって死ぬって!』とか言っているのが聞こえる。……嘘だろ?
「丁度電車が来たわね……」
「ああ、そうだな。乗らないとな。この胸に添えられている手は何なのか教えてもらってから」
「そのうち分かるわよ」
線路を血に染める以外に使うのだと信じたい。
チラッと東條の方を見てみると満面の笑みで手を振っている。目は笑ってないけどな。
視線を戻す。いつの間にか胸ぐらを軽く掴まれている。目が据わってるぜ西條さん?
だがこのままじゃマズい……! このままじゃ電車が着く頃には御堂海斗が御堂海斗(故)になってしまう! 考えろ……っ! この状況を打破する妙案を……っ!
「まだ百合とは言ってない!!」
「死ねえええぇぇぇええ!!!」
直後、俺の視界は暗転した。
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