-入場-

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  「ご馳走さま!」 「お粗末様でした」  口周りにカレーをつけながら言うあたり、いよいよ子供っぽい。大人びた振るまいを是非お勧めする。 「えっとね…まあ他にも話さないといけないことがあるんだけど……とりあえずお願いがあるの」 「この際だからできる範囲なら聞くよ」  俺の言葉に、リズはパッと表情を明るくした。そして、一言。 「お風呂借りていいかな?」 「却下だ」 「炎天下の中汗だくになって探してたのにこんなの「悪かったからああああ! お風呂貸すから許してぇぇぇええ!!」  分かればいいのよ、と嬉しそうに立ち上がるリズ。人の足下見やがって……  風呂の場所を教えてやり、バスタオルを渡す。俺はこの女に勝てないのだろうか?  少しするとシャワーの流れる音が聞こえてきた。確かにこの暑さなら汗で服も濡れるだろうな。白い半袖に七分丈のジーンズ。かなり爽やかな格好してたけど流石に………ってアレ?  ……服? アイツ着替え持ってたっけ? つーか下着も―――― 「ああ゙ああ゙あああ゙あ!! 着替え持ってなあああああい!!」  風呂場から絶叫。阿呆かアイツは……
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