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「ゴメンね。こうした方が信じてもらえると思って……」
そう言ってリズは俺の前に座る。侵入された時と同じくらい動揺してるかもしれない。
「いきなりだけど話始めちゃうね?」
まだ若干状況が飲めていない。だけど俺は頷く。状況を飲み込むために。
「さっきも言ったとおり、私は御堂君を迎えに来たの。でも、どこから迎えに来たかは話してなかったよね?」
首を縦に振る。振らざるを得ない。そんな俺の反応見たリズは、真っ直ぐに俺を見つめ、少し間を置いて一気に自分の素性を明かした。
「私はもう一つの世界。魔法を文明とする世界〝ウェストファリア〟から来たの。」
――――〝魔法〟
そんな夢物語も甚だしい言葉を彼女は迷うことなく言い切った。
だけど、そんな言葉を聞いたにも関わらず驚きはしなかった。
「やっぱり、アレは魔法だったのか……」
「気付いてたの?」
「話すのもはばかられる推測だったけどな」
〝魔力〟〝マナ〟
そして昨晩の〝超常現象〟
それらを繋げうる言葉と言えばそれくらいしかない。だけど、17年生きてきて魔法をはいそうですかと受け入れられるなんて無理な話だ。疑惑が確信に変わった、というところか。
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