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「ウェストファリアには大気中にマナが存在するの。あっちに住む人なら例外なくマナの影響を髪に受けるわ。その結果がコレ。これで、私が異世界人だってことは分かってもらえたかしら?」
異世界人。
そんな言葉を聞くことになるなんてな。
もちろん俺にその事実を否定する術はないので、首を振って肯定の意を示した。
「髪の色はどうやって決まるんだ?」
ふと沸いた疑問。俺にとったら何でもない質問に彼女は困りながら少し俯いて答える。
「ごめんなさい。その質問に答えることはできないわ。その話は魔法のことに関わってくるの。まだ、あなたにこっちに来るかどうか聞いてないからね。こっちに来ない人間に余計な知識を与えるわけにはいかないの。」
つまり、私の言いたいこと分かるわよね?
彼女はそう前置きした。
俯いた顔を上げ、視線を俺に合わせてくる。
ここまで来たらな、流石に分かるさ。
「私はあなたを迎えに来たの。〝ウェストファリア〟に来ませんか?」
そう言って、迎えとしての目的を彼女は果たそうとした。
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