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それより、暗号だーー
恐らく事件はまた今日起きる。
街では相馬さんたちが巡回しているから犯人も迂闊には動けないかもしれないけれどーー人前で余裕で殺害するような狂った犯人だ。
正直な話、ハッキリと「そうだ」と断定することなんて出来ない。
早くこの暗号の謎を解かなきゃいけない。
「咲良、この暗号のよー桜が植物の桜じゃないんならなんなんだ?」
「……それが分からないから困ってるんだろ……」
「くっそぉおおお!!!!
あの先公せめて答え教えていけよ!!!!
勿体ぶりやがって!!!!!!???」
まぁ確かにそうだけど……っては思うけどーー
あの先生に全部を聞いてはいけない気も俺にはしてた。
「桜が入ってる場所……」
「でもこの桜ヶ丘には沢山桜が使われてるぜ。
それだと全くわかんねぇじゃねぇか」
「……確かにな」
こんなおおざっぱなものじゃダメだ。
それに後の続きもよくわかんないし。
全く見えてこない……「あー」と乱雑に頭をかきむしりながら九條さんは沢山の資料がある棚にもたれ掛かった。
「……ちょっと待ってくれ」
そして、そんな九條さんを追っていた俺の視界のなかにあるものが目に入る。
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