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「……でも、違ったんです。
物事はもっと単純なことでこの文字は最初の暗号と同じ土地を表すものだったーー
全てカタカナにしたのはーー
恐らく暗号を解かせる時間を稼ぐ為です」
「……でも、でもーー待てよ!
なんでサクラチルハルノゴガツなんちぇろかんてろが旧桜之城跡になんだよーー!!!!」
咲良の解答に納得のいかない九條さんは叫ぶに叫びまくる。
「ーーあれ、見て思い出したんだ。
あの倉庫にあった文学本ーー
『桜散りゆくとき』って本……
あれ、小学生のとき読んだことがあるんだけどこの『桜之城』を舞台にした郷土文学でーー」
「まさかその本が答えを示してるって言うのかよ?」
そんな名もない本が暗号の答えを教えてくれた?
咲良の話はますます信じられない。
「この本がきっかけってだけで暗号の答えはこの桜之城の歴史です」
「……歴史……」
「桜散る春の五月、君は涙堪えて、愛しい人見送るだけ」
「……うん」
まずは暗号を読み上げて1つ俺らに確認を取る咲良。
俺らも「わかった」の意味で頷く。
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