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「桜散る春の五月のどこがこの桜之城跡を示してるんだよ?」
「……ん?もしやとは思うけど……
桜之城跡……だからか?」
「はぁ??!」
1つの確信を持った俺の問いの意味が九條さんには分からなかったらしく、更に俺の分かったような言い方に腹が立ったのか、彼女は半切れしていた。
ちょ、この女子高生怖いぞ。
「いや、あのねーーだから桜之城跡でしょ?
もう、桜之城自体はここにはないの。
お分かり?」
「んなことは分かってるっつーの!!
バカにしてんのか!!???俺様を!!!!!!」
俺の言葉に更にキレる九條さん。
他人を怒らせるのってこんなに簡単だったっけって思わず思ってしまうよね……
「いやいや、だから比喩的な表現でね……その……てかこの推理当たってんのかね?」
咲良がなにも言わないので間違ってんのかなぁーと思ってちらりと見て一度確認を取ってみる俺。「俺と同じです」と咲良は返してくれた。
俺はそれを確認すると、九條さんに説明を再開する。
「だから、この暗号の示す桜散るっていうのは桜之城跡のことを表してるってこと。更に言うならもう1つヒントが出てて春が終わる5月にこの桜之城跡は秋になる月まで閉鎖されるんだ」
「……お前……なかなかやるじゃねぇか。クズ刑事の癖に」
クズ刑事のは余計だよ。
俺の渾身の説明で分かってくれた九條さん。とりあえず安心した。
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