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桜田門次は本気だった。
本気で自分が次のおとりになるーー
そして、犯人を現行犯逮捕するとそう指示してきたのだ。
実はこの連続殺人、確たる証拠もなく目撃証言もバラバラーーなにひとつ犯人に繋がるものが一致しないのだ。
1つだけ犯人が連続殺人だと思わせる確たるもの、それは現場に残される度にある次の殺人予告と思われるメッセージだった。
それは最初、ただの言葉で誰もが暗号と気づくのはあとになってからだった。
そして、それに気づいた桜田門次が犯行する場所が分かっているのなら自分がおとりになるからその隙に捕まえてくれーー
そう言ってきたのだった。
この時の俺たちは桜田門次の行動も言葉も疑うことがなかった。
だから最大の懸念すら抱けないでいたのだーー
俺たちはこの日、彼の言う通りーー
彼をおとりにして犯人を捕まえるための行動に躍り出た。
犯人が次に犯行を予告した場所はやはり人通りの多いところーー
桜之商店街だーー
しかし犯人の殺人は実にランダム。桜田門次が出ていってもおとりとして活躍出来るのかの疑問はあった。
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