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彼は迷っていたが、暫くしてただ静かに頷く。
「……分かった。
俺もいい加減、自分でちゃんとあの日のことにけじめをつける」
それは刑事としてのヤツの意思ではない。
自分自身のただの強い思いってヤツだ。
「ついてきてくれ」
すべてを決意したその男に俺様たちは着いていくことを決めた。
クズ刑事が連れてきてくれたスタッフルームには10人ほどの人間が控えていた。
全員が普段から桜之城跡で働いているスタッフだという。
この中に俺様の母さんと咲良の父親である門次さんを殺した犯人がいるかもしれないーー
そう思うと俺様の心はひどく震えた。
緊張なのか、憎しみが爆発しそうなのか、それとも真実が分かるかもしれない喜びなのかーー
自分の感情のはずなのにそれが俺様にはよくわからなかった。
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