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お陰さまでさっきまで考えていたことが吹っ飛んじまった。
何か、何か引っ掛かってるっつーのに……
20代後半に見える女がつけている携帯のストラップらしきものーー
それのマスコットだけが不自然に取れていたんだ。
ーーまぁ事件がまだ起きた訳じゃないんでそれを気にするのはあんまり関係ないかもしれねぇけどさ……でも咲良も少し気になってたみたいだ。
「怖いよね」
「!!!!」
その気になる女が俺様たちの視線に気付いたのか、話しかけてきた。
「私、ここで働いてる安城(あんじょう)っていうの。
いきなりこんなことになってしまってとっても混乱しちゃってるわ。
あなたたちも嫌なところに迷いこんじゃったわね」
安城はにこやかに俺様たちに言う。俺様はもちろん終始警戒は解かない。それはクズ刑事だって同じだ。
女だろうと容疑者は容疑者ーー
絶対に油断はしない。
自分の大切なものを絶対に守り抜く為にーー
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