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「しかし……こう暗くちゃなにも見えないなーー
これが犯人の狙いか……」
相馬さんが手探りで俺らの方に近づいて来てくれてるみたいだ。
足音が聞こえてくるのがその証拠。
「でも犯人だってこう暗くちゃなにが何だかわかんねぇし俺様たちにも逃げた奴等にも手出しできねぇんじゃあ……まぁでも俺様気配でわかっちまうし、その思い込みは捨てたほうがいいか」
さすがスパイ女子高生、頼りになるな。
ここでライト等を照らすのは、自殺行為かもな。本当に今は動かないほうがいい。
「咲良、犯人だけど……分かったのか?
さっき分かったような口振りだったけど……」
「……ああ。分かった。
というよりーー思い出しただけだ」
暗闇にも慣れてきた俺の視界にうっすらと九條さんの金髪が映る。
「……思い出した?」
相馬さんが疑問を投げ掛けた。俺らの側まで来たらしく、その声は先程より随分と近い。
「はい」
「……どっかで聞いてんじゃねぇの?犯人のやつーー」
「……おい、誰かぁ誰かいるか!!」
相馬さんがなにかを指示するためなのか、部下の存在を確認するために声を掛けた。
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