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彼らはブローカーとして接触していた大原芳樹が、その妹にまで無理やり手を広げようとするのを見て、彼女を助けるために取り憑いたという。
霊といっても様々だ。
存在の弱い霊は、取り憑くことはできても、それは心の弱い、隙があるという意味で言い換えれば、心の優しい人間に限られる。
大原芳樹のような人間は、逆に心根が腐りすぎていて取り憑くことが難しいのだ。
単純に考えれば理不尽なシステムだが、今回はそれが大原さやかを救った。
「っち、やっぱりてめえなんぞに話すんじゃなかった。でもまあ、ある意味ラッキーか、こんな馬鹿だったわけだしな。」
見れば、男たちはニヤニヤと笑っている。
「一人で来るとは、馬鹿も馬鹿、何考えてんのか分かんねえぜ、ええ?」
得意げになって話している所悪いが。
「一人?何を言っている。」
「はあ?」
俺はわざとらしく両手を広げ。
「俺にはこんなにも仲間がいるぞ?ほら。」
その瞬間、辺りを大音量の喧騒が支配した。
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