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そのミサイル隊は刻々と日本艦隊に近づいていた。
「隊長。そろそろ会敵時刻です。」
「うん。海面の監視を厳にしろ!そろそろだぞ!」
「隊長。雲が厚く海面がよく見えません。」
「仕方ないか…」
隊長は無線の電源を入れた。
「隊長機から全機へ。3000メートルまで降下する。僚機を見失うな!あと、この無線も傍受されていると思われる。編隊の間隔を密にしろ!迎撃機に注意しろ!」
そう言うと彼は操縦桿を倒し降下に移った。
「電探に感!敵機約50機が降下中!」
「無線室より報告。敵無線傍受。こちらに近づく!!」
「この日没に?機種は分かるか?」
諸星司令が尋ねる。
「艦上機ではありません。重爆撃機だと思われます。」
「陸上機だと!高度爆撃で航行中の艦艇になど当たるわけがあるまい。長官いやな予感がします。」
「確かに妙だ…全艦に下命。対空戦闘用意。」
「見張り員何か見えるか!」
「西の空に機影多数!!あれは…B29です!!こちらに来ます!」
「あんな大型機に三式弾では、あまり効果が出ません。」
航空参謀は言った。
「主砲殲滅弾用意。」
「司令!あれは機密ですよ!?」
砲術長が止める。
「いつまでも秘密にしていては意味がない。今こそ使うときだ!」諸星は命令した。
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