月下の夜に

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「重巡ナルビック被弾!」 「駆逐艦ボング航行不能。」 「応戦しろ!」 日米両艦隊は明るい月夜の下砲声を轟かせあった。 「取り舵一杯!」 「とーりかじ一杯!宜候!」 銀河を後方待機させた日本側は敵の20㎞付近から左に大回頭した。 「トーゴーターンを始めたか…」 あの日露戦争日本海海戦において東郷平八郎が行った大回頭のことである。 一般にはT字戦法の行うためだとといわれているが実際は通報艦(偵察機も潜水艦も無い時代で敵の情報を得るために商船などに仮装したりしていた艦のこと)の報告より数キロ離れていて、正面に敵がきてしまった。 そのため、回頭して全砲門を敵に見せることにしたのだ。つまり、結果的にT字戦法になったのだ。 「今がチャンスだ!全力で砲撃しろ!目視なら回頭中は反撃できん!」 教科書通りの答えだがすでに過去の知識だった。 ドォーーーンドォーーーン各艦撃ちまくった。
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