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「敵さんは我々が電探射撃であることを知らんみたいだな。」
「司令。大和の命中精度ですが、30%低下しています。」
「やはりか。足りない分は兵員の練度で補え。」
「宜候。」
「砲撃続行!」
グワッン!
グワッン!
艦を傾けながら武蔵以下全艦が砲撃。
「舵もどーせ!」
「もどーせ!」
回頭が終わり今や前後主砲及び副砲が米艦隊を狙う。当然、回頭中に至近や直撃弾を受けたが、幸いにも各艦、戦闘に支障はなかった。
「今です!放ちなさい!」
諸星司令は白い扇子を突き出し凛として言った。
ドォーーーン!!
全艦すべての砲で、砲火が上がる。
まさに南洋に轟く咆哮である。
「ニューヨーク大破!」
「ワシントン沈みます!」
「ガッデム!打ち返せ!!」
グワーーン!
「バイタルパートに直撃弾!」
「第三機関室浸水!」
「機関停止!」
「これまでか…」
「総員退艦せよ!!」
「発光信号。ワレ、コウフクスだ。」
「提督!?」
「いいんだ。人命にはかえられない。」
「司令。敵戦艦より発光信号。ワレ、コウフクス!」
「よし。駆逐艦を救援に向かわせろ」
「返答。リョウカイシタ、キカンタイノケツダンヲ、カンゲイス以上。」
「諸星君。よくやってくれた」
小澤は言った。
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