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「つきましては燃料などの補給を願いたい…。我が国は資源が枯渇しとりますから。」
苦笑しながら諸星は言った。
「もちろんかまいません」
スプリューアンスは微笑した。
その後、米上陸部隊は日本艦隊と対潜哨戒機銀河の護衛の元、真珠湾に帰投した。旗艦武蔵には小澤長官の中将旗の上にスプリューアンスの将旗が翻った。
この海戦の数ヶ月後、日米は真珠湾にて休戦協定に調印。その後日支休戦も成立し、連合国入りを表明した。
大戦はいよいよ欧州対世界という局面を迎えた…
「いや、ご苦労さんだね。」海軍大臣山本五十六は、小澤・山口・諸星の前で言った。
「真珠湾攻撃やミッドウェーの時の無礼を直してくれた。私の尻拭いをしてもらって感謝に堪えない。」
「いえ、我々は大臣の構想を実現しようとしているだけですよ。」山口は言った。
「しかし、やっと米国との喧嘩を終わらせたのに次は欧州最強のナチスドイツとですか…」小澤が苦笑した。
「全くだ。」山本がうなずく。
コンコン
「大臣。軍令部からドイツ海軍の動向について報告が入りました。」
「おお。次官か。君の意見もGFに言っておいたらどうだい?」
海軍次官は井上成美中将である。
「いやいや、私はただ戦艦不要論を今だに唱えてるだけですよ。」
「まあ、ドイツとなら機動部隊のみでいけるからな。」小澤が答えた。
「私が危惧しているのは、敵潜水艦ですな…」山口は言った。
「確かに優秀な性能を持っています。正直言えばそれ以外は恐れるに足りませんよ。」井上が言い放った。
部屋に笑いが起こる。「大臣。申請したあれですが裁可されました。」
「そうか。」山本はうれしそうに答えた。
「あれと申しますのは?」諸星は聞いた。
「ああ。対独戦に備えて新型駆逐艦の配備計画だよ。」
「そういえば、先の戦いで船団護衛していた…」
「そう、楓型だ。」
楓型駆逐艦とは、対潜能力を向上させた艦である。
かつての盟邦ドイツのレーダー技術を改良した、探知機を装備しており、現在6隻就役している。最終的には20隻の建造が計画されている。
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