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15分後サイパン上空で敵攻撃隊を確認した。
「おう。サイパンの奴らがもう始めている。わしらも行くぞ!」
隊長機は、投弾体勢のドーントレスに照準を合わせた。
ダダダ!
両翼の25㎜機銃が敵機の主翼を貫き、燃料に引火四散した…
「さすが烈風だ。零戦の比ではないぞ。」
烈風十一型は、零戦の後続機として25㎜機銃2丁、13㎜機銃2丁を装備し、最高時速621㎞。
零戦のような機動力に加え、防弾措置を施したレシプロ機最強の戦闘機である。
F6Fヘルキャトやアベンジャーを次々と撃墜し、残りは遁走した。
「長官。敵機を150機以上撃墜して我らの損害は軽微とのことです。」
航空参謀が報告した。
「そうか、損傷機はサイパンに着陸させよ。」
「は。」
「しかし、敵空母の位置がわからないと攻撃のしようがないな。」
「今、遁走機のあとを偵察機が追っているのでじきにわかるでしょう」
「ふん。」
猛将の長官は不機嫌に息をならす。
「まあ、長官。戦いは始まったばっかりですし、気長にやらねばなりません」
と航空参謀は言った。
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