出撃、最新鋭連合艦隊!

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烈風の戦果は、後方の武蔵にも伝わった。 「損害が少ないのはなによりだ…」 長官の小澤は安堵する。 「山口君は結果主義ですから、まだまだやってくれるでしょう。 」 参謀長は言った。 「まあ、あまり無理をしないといいがね…」 「長官。電探にこちらに向かう飛行隊を確認。目視まで後、30分です。」 「敵は空母を二分したようだな…」 「参謀長。全艦に下命対空戦闘用意」 「は、対空戦闘用意!」 武蔵は陣形を円陣にする事を伝えて速力を上げた…。 「おい。何か見えるか?」 米攻撃隊長が機長に言った。 「いえ…今は…隊長!航跡多数視認!」 「おージャップの艦隊だ!隊長機から全機へ!攻撃態勢を取れ!」 爆撃・雷撃機計40機が一斉に襲いかかった。 「左40度雷撃機4!」 武蔵の見張り員が叫ぶ。 「副砲左舷撃ち方始め!」 「前方2000急降下!」 「主砲三式弾撃てー」 「射ー!」 ドーーーン! 武蔵・大和・長門の前方三艦が迫る急降下爆撃機に発砲。三式弾の弾幕を張る。 「おい!敵一・二番艦は新型戦艦だ。最高の獲物だ。皆いくぞ!」 隊長機は檄を飛ばす。 左右と上空から来る攻撃機に全砲門で打ち落としていく。 「雷撃機1!」 「高角・機銃撃てー」 ダダダダダ! 「撃墜確…いえ!雷跡視認!」 撃墜寸前に投下された魚雷は大和に向かって突進する。 「回避運動。取舵一杯!」 大和は右に船体を傾けながら取舵する。魚雷は回避に成功した。 しかし、隙をついて「急降下!」投下された爆弾は第二主砲に直撃した。 「ピュン」と金属音の後、右舷に水柱がたった。650㎜装甲を使っている主砲は爆弾を跳ね返したのだ。そこの塗装ははげてしまったが…。 「両舷対空火器応ぜよ!」 ダダダダターカタカタカタカー 全艦、発射音で会話もできない。その中でまさに怒鳴りながら命令が飛び交った…。二十分後、攻撃機は帰投していった。 「偵察機を出せ!後を追わせてわかり次第機動部隊に通告しろ。」 「は。水偵射出せよ!」 全艦から水偵が射出され、索敵を開始した。
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