一話 ″忠義″

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‥‥‥そう決意して、旅を続けて 早、一年。 一年では 案外たくさんの場所へ訪れられた。 そして多くの血を浴びた。 その血は全て攘夷志士のもの。 奏栗遜(カナクリ ユズル)は攘夷志士が大嫌いだ。 憎くて憎くて仕方がない。 斬った屍に彼女は毎回見下して言う。 ───「醜い信念など抱くからだ」 そう、幕府をつぶそうなんて、そんな信念抱くか ら。 幕府に牙を向けるものは 全て自分の敵、だ。 そんな者生きてる価値なんてありはしない。       
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