66人が本棚に入れています
本棚に追加
12月の暦がまるで冬を連れてきたように息が白く町を埋めた…
そして
約束の、ダブルデートの当日が訪れた。
午前9時、待ち合わせ場所の駅前で。
マサキ
『店長おはようございます』
店長
『おはよう!寒いね…』
マサキと店長は、約束の時間よりも早く着いた。
それから、ユウカとサキはやってきた…
『待ったぁ?ケンちゃん?』
サキの声が響いた…
店長の事を気安く呼ぶ、サキちゃんの言動に、2人の関係の進行を想像するマサキがいた。
市バスで40分、マリーナランドへに着いた。
マサキとユウカは、手を繋ぎ何処にでもいる恋人のようにテーマパークの中に溶け混む2人がいた。
一方、手を繋ぐ事も無く一定の距離感を保つ、店長とサキは不自然に見えた…
でも2人の顔からは、絶えず見つめあう視線が溢れいる…
マサキは、サキちゃんが先輩として半分憧れの気持ちで店長といるのだと想像の方向を変えた。
『急流下り』『ジェットコースター』4人は久しぶりに楽しんだ。
観覧車の上から、和歌山の町や海が見えた。見慣れた風景も上空から観ると輝いて、神様になったように町を支配しているような錯覚に包まれた。
結局、店長とサキは手を触れる事は一度も無かった…
最初のコメントを投稿しよう!