(2話)1991年・婚約指輪

2/2
前へ
/36ページ
次へ
朝日が昇り、プロポーズの日がやってきた。 鞄を一つ抱えて、玄関を出た。 鞄の中では『婚約指輪』が未来の輝きを光らせるのを心待ちにしている。 タツヤは、待ち合わせの『喫茶店』へと向かう、いつも通り慣れた道が未来へと続く道のように感じた。 マミに会いに行こう! いつもの交差点を渡り… いつもの店の前を通り… いつもの町工場の前を通り過ぎようとする… その時! 白い光と… 体が裂けるような痛みを感じた… 意識が別の世界に飛んだのか… 時間の感覚が麻痺したような錯覚に包まれ… そして、正気を取り戻した… 目に映った光景は、若い青年が青信号の横断歩道を渡るうしろ姿を見た… トラックが青年の方に向かって暴走してる… とっさに、タツヤは青年を助ける為に横断歩道を渡る青年を突飛ばし… そして、自分もトラックから回避したように感じた… 目覚めると 病院のベッドの上に視線の先には、知らない若い女性が目の前にいた… ユウカ 『よかったぁ、マサキ…』 『無事で…』 タツヤ 『マサキって誰?』 『あなたは?』
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加