沖野家の日常

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道場に…… 二つの影…。 師匠が来るまでずーっと正座して待つ。 一言も喋らず。 ただずっと…正座。 スパンっ 師匠「起立っ!!!!」 『はっ!!』 足が痺れていようとも言われればすぐさま立つ。 ……じゃないと木刀でぶっ叩かれる。 師匠「向かい合って構えっ!!!!」 『はっ!!』 その構えは…天然理心流… 沖田総司そのもの。 あの沖田の癖のある構えを難なく心得た二人。 これこそ、二人の沖田への思いだろう。 普通の人達ならこんな細かなことまでは出来まい。 師匠「一本勝負!!……始めっ!!!!」 『はぁ!!』 カッカカッカカカ… 今までずっと同じ修行を繰り返してきた二人。 その差は無く、互角だ。 だが、一瞬の隙で勝負は決まるだろう…。 カンッカカカキンッ 総紗「へへっ…。やるね。」 総姫「へへっ…。そっちこそ。」 『(次で…決めるっ!)』 タッ… と二人は同時に踏み出した。 しゅっしゅっしゅっ! カンカンカン…。 二人とも三段突きを繰り出し、三段とも止めた。 師匠「そこまでっ!!!!」 『はぁ…はぁ…はぁ…っ。ありがとうございました!!』 総紗「結局今日も決着着かなかったね。」 総姫「うん。でも、二人で同じ事しかしてないから、しょうがないんじゃない?」 総紗「うーん…。そうだね!!」 二人はにこりと笑って道場を後にした。 .
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