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波》
まだまだ暑い8月。
この日はテニス女子ダブルス個人戦選手権大会で
青学からは私と明日香で
出ることになっていた
そして、なんとか都大会の決勝まで勝ち上がり、
優勝した
まぁ、運動神経抜群な私と明日香が負けるわけないけどね(余裕余裕)
っていうのは口実であって内心は凄く嬉しいんだけどね
英二先輩の姿を確認した瞬間
走って思い切り抱きつかれる
「波‼優勝おめでとうだにゃ‼」
「公衆の面前で止めてください英二先輩‼恥ずかしい‼」
「ごめん。ちょっと来て約束のご褒美」
手首を掴まれヅカヅカと
進んで人気の少ない所(茂みの中)で
優しいキスをする
そう、ご褒美とはこの事
『試合に勝ったら勝った数だけキスをする』
この間、交際し初めて英二先輩が勝手に作った約束
嬉しくはないんですけどね
はっきり言えば、嬉しい
でも、恥ずかしい
「表彰あるんでしょ。行ってきな」
「英二先輩に言われなくてもわかってますー」
明日香の元へ走って戻るとニヤニヤして見られている。 気持ち悪いっつーの
毎月読んでいるテニス雑誌を丸めて明日香に叩きつけた。
「痛ったー‼波ひどーい‼」
「うるさいわね‼ニヤニヤしながら見てんじゃないわよ‼」
「…どうせご褒美のキスでももらったんでしょ。英二先輩に」
私のウォッチング物件の
中の情報では、
明日香と越前はバカップルで有名にはなってるけど、たまにしかキスしてくれないらしい。
だから試合に勝ったらしてくれるということに焼きもち焼いている
「頼めば?この東京産純粋乙女‼」
「何で人を農作物呼ばわりするのよ‼意味分かんないし‼」
会場内で騒いでいると、
越前と英二先輩が来る
「波と若宮ちゃんはさ、これからカラオケでも行かない?」
「都大会優勝祝いって事で俺と英二先輩でおごるから」
おごってくれるならって事で明日香と顔を見合わせたその答えはもちろん
「「行くに決まってる‼」」
「じゃ、行くにゃ~」
おごってくれるなら
派手に暴れちゃえと
明日香にコソッと呟いた
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