発覚

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発覚

先生の第一印象は小汚ないオジサンだった。 正直こんな人に任せて良いのかと思った。 椅子に座る。 何を話たら良いのだろう…。 何も分からない。 考える。 静かな診察室。 考える。 浮かんでこない。 取り合えず自分の体調、死にたいこと、何もやる気が起きないこと、そして子供に手をあげてしまうこと、全てを話た。 先生は微笑みながら静かに聞いてくれた。 私はそんな先生に安心して自分の過去を話た。 話すたびに涙が流れた。 嗚咽をもらしそれでも話た。 全てを話終えた時先生は言った。 『一人で頑張ったね。』 と優しく言った…。 誰にも分かってもらえないと思った私の気持ち。 先生は分かってくれた。 私は嬉しくて頷きながら沢山泣いた。 先生は静かに告げた。 『貴女はうつ病です。』 その時の私はうつ病が何かを知らなかった。 だから甘く考えていた。 離婚して2ヶ月後、私は自分がうつ病だと云う事を知った。
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