3章 ジンギとユーホ

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――ジンギが佐久間を気絶させ、約1時間後…… 「う……ぐ……」  辺りが暗くなり始めたころ、佐久間が目覚めた。  ジンギの一撃で倒された佐久間であったが、実はただそれだけであった。直後にジンギも気を失い、サキが運んで行ってしまったため、佐久間はそのまま放置されていたのである。 「……ん?」  佐久間は自身の左手に、未だ健在なリングがあるのに気がついた。当然のように神器も作り出すことができ、佐久間はにんまりと表情を緩める。 「ケッ、あいつリング壊すのを忘れていきやがったのか。オレの運も捨てたもんじゃねえぜ! ケケケケケ!」  自信の悪運の強さに喜びつつ、佐久間は神器を消した。 「あの野郎の能力は分かった。次こそは目に物を見せてやる……」  ジンギへのリベンジに燃え、佐久間がそうひとりごちた直後だった。 ――いきなり背中で爆発が起こった。 「あがっ!?」  何事かと佐久間が思う間もなく、2発3発4発と続けざまに佐久間を爆発が襲う。ただでさえジンギの攻撃でダメージを受けていた佐久間は、謎の攻撃になす術もなく、その場に崩れ込んだ。  それでもかろうじて保った意識を後方に向け、佐久間はようやく攻撃の主を見る。 「!」 「……あ、まだ意識あったんだ」  攻撃の主はボソッとした声を出し、佐久間を見つめていた。その姿を見て佐久間はあることに気がつく。 「……おめえ、その制服……」 「……悪いけど、あなたみたいに身近に候補者がいたら困るんで潰します。どうしてか知らないけど、ちょうどボロボロだし……。それでは失礼します、〝先輩〟」 「このや――」  佐久間はなんとか反撃を試みようとするも、相手の行動はそれよりも早く、次の一撃を受けて佐久間の意識は再び深い闇へと落ちていった。
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