3章 ジンギとユーホ

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「な、な、なな……何訳わかんねえこと言いだしてんだ、てめえ! 今俺は選神の戦いについて言ってんだよ! ほら、昨日言ってたじゃねえか、『キミと僕は同類』とかさ!」 「選神の戦い? 何それ? あとそれは、僕と君は同じザンバルザーオタクだねって意味で言ったんだけど」 「…………」 「…………」 「待て待て待て待て待て待て待て!!! 違うよな!? お前神の候補者なんだよな!? ほ、ほらだって『キミとはいつか決着をつける必要がありそうだ』とか言ってたじゃん!」  必死にジンギは否定する材料を挙げてみるが、一方の中岡は首をかしげる。 「えー。何言ってるんだよ、安倍クン。それはザンバルザー屈指の名キャラ、ハーザック大佐の台詞じゃないか」  その言葉でジンギは力なくその場に倒れ込んだ。他に否定する材料もないし、何より最早無関係そうにしか見えない中岡相手に、これ以上シリアスな雰囲気を保つのが限界であった。 (うそ……でしょ……) 勝手に一人で騒いで、結局は人違い。恥ずかしいことこの上なかった。  だがそこでジンギはふと疑問を持った。  ついさっき中岡は「僕と君は同じザンバルザーオタク」と言っていたが、ジンギはそんな物のオタクではない。それどころか、そのザンバルザーというもの自体、今の今まで知らなかったのだ。  なのに何故彼にそんな勘違いされているのか……? 「……中岡、一つ聞いても良いか?」 「いいよ」 「誰から俺がザンバルザーオタクだって聞いたの?」  ジンギがそう尋ねると、中岡は一呼吸置いてからこう答えた。 「竹田クン」 「あいつかぁあああああ!!!!」  叫び声を上げながら、全ての元凶への恨みを募らせるジンギであった。
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