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「な、な、なな……何訳わかんねえこと言いだしてんだ、てめえ! 今俺は選神の戦いについて言ってんだよ! ほら、昨日言ってたじゃねえか、『キミと僕は同類』とかさ!」
「選神の戦い? 何それ? あとそれは、僕と君は同じザンバルザーオタクだねって意味で言ったんだけど」
「…………」
「…………」
「待て待て待て待て待て待て待て!!! 違うよな!? お前神の候補者なんだよな!? ほ、ほらだって『キミとはいつか決着をつける必要がありそうだ』とか言ってたじゃん!」
必死にジンギは否定する材料を挙げてみるが、一方の中岡は首をかしげる。
「えー。何言ってるんだよ、安倍クン。それはザンバルザー屈指の名キャラ、ハーザック大佐の台詞じゃないか」
その言葉でジンギは力なくその場に倒れ込んだ。他に否定する材料もないし、何より最早無関係そうにしか見えない中岡相手に、これ以上シリアスな雰囲気を保つのが限界であった。
(うそ……でしょ……)
勝手に一人で騒いで、結局は人違い。恥ずかしいことこの上なかった。
だがそこでジンギはふと疑問を持った。
ついさっき中岡は「僕と君は同じザンバルザーオタク」と言っていたが、ジンギはそんな物のオタクではない。それどころか、そのザンバルザーというもの自体、今の今まで知らなかったのだ。
なのに何故彼にそんな勘違いされているのか……?
「……中岡、一つ聞いても良いか?」
「いいよ」
「誰から俺がザンバルザーオタクだって聞いたの?」
ジンギがそう尋ねると、中岡は一呼吸置いてからこう答えた。
「竹田クン」
「あいつかぁあああああ!!!!」
叫び声を上げながら、全ての元凶への恨みを募らせるジンギであった。
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