その時。

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 なんて無力なんだ。と自分の愚かさを悔いて、それでも誰かの助けを期待して、絶望して、過去の自分を呪った。  あの日、あの時、あの場所で、安易に安直に行動していた自分を殴り、止めてやりたい。  俺の周りに倒れている人達の気持ちなんて、これっぽっちも理解しようとしていなかった。  そして、そんな状況下にある今、目の前に立ち、俺達を見下ろしているこの人の目には、未来が、どう見えているのだろうか? なんてことを考え込んでしまっている自分を、何故か嫌いになれなかった。  全てはコード進行から始まった。  青砥理紗。  アレックス・ロロ。  井上一也。  ごめんなさい。  ごめんなさい。  ごめんなさい。  ーーごめん、夢。  全終止まで、あと三時間。 ―――
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