それは突然訪れる。

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 はぁ、と。  深い溜め息と共に。 「自分がどんなに大切な分岐点に居るか、あなた、分かっていないでしょ? ――まぁ、いいわ。あなたには考える猶予を与えます!」  呆れ顔。  分岐点。  そして猶予。 「死刑囚っすか、俺。いつまでですか?」 「5日間。それまでに夢を見つけ、将来の道を確立させ、進路希望調査の紙を出す! 出来るわね?」  まぁた面倒臭い事を。期限期限って大人はすぐ。 「了ぉ解」  5日間もあるんだ。適当に納得させられる答えを並べりゃ良いだろ。  鞄を乱暴に掴み、立ち上がる。少しでも早くこの場を立ち去ろうと、せかせかと駆け足気味にドアを通過。  ドアを閉めようとする俺の視界には、ニンマリ顔を張り付けた担任が見え、逃げる俺に追い討ちをかけるように一言。
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